「分譲マンションって、実際どのくらい音が聞こえるんですか?」
住宅営業をしていたころ、こんな質問をよく受けました。
特に多かったのが、小さな子どもがいるご家庭からの「子どもが走ったりジャンプしたりしたら、下の階に響きますか?」という相談です。
私自身も今は子育て中なので、「静かにして!」と何度も言いたくなる気持ちはよく分かります。
私は、住宅営業の研修で実際のマンションを使った「音の実験」を体験しました。その時の音の聞こえ方をまとめました。
| 実験した音 | 聞こえ方 |
|---|---|
| 上の階の普通の歩行 | ほとんど気にならない |
| 上の階を走る音 | 想像より小さいが、多少聞こえる |
| 上の階でジャンプ | 「今ジャンプしたかな」と分かる |
| 隣の部屋の会話 | 窓を閉めていれば、ほとんど聞こえない |
| 隣の部屋のテレビ(音量大きい) | 窓を閉めていれば、ほとんど聞こえない |
| 隣の部屋のテレビ(音量大きい)+両方の窓を開ける | 聞こえる |
※住宅営業の研修で、RC造の新築分譲マンションで体験した私が感じた結果です。建物の構造や間取り、音の種類などによって聞こえ方は変わります。
分譲マンションで子どもが走る・ジャンプすると下の階に聞こえる?

小さな子どもがいる家庭で特に気になるのが、足音やジャンプする音だと思います。
私が研修で体験したマンションでは、上の階を普通に歩く音はほとんど気になりませんでした。
走る音は想像より小さく聞こえ、ジャンプすると「今ジャンプしたかな」と分かる程度には音が伝わってきました。
ただし、これは一つのマンションで行った実験です。
建物の構造や床の仕様、部屋の位置、音の種類などによって聞こえ方は変わります。
そのため、「子どもがいるからマンションでは足音が気になる」と一括りにするより、どんな動きをすると、どのくらい音が伝わるのかを知っておくほうが、実際の暮らしをイメージしやすくなります。
住宅営業の研修で「音の実験」をしてみた
私が住宅営業の新人研修を受けたとき、RC造の新築分譲マンションを使って、実際に音がどのくらい聞こえるのかを確認する機会がありました。
私は一室に残り、ほかの人が真上の部屋と真横の部屋に移動します。
電話で連絡を取りながら、歩いたり、走ったり、ジャンプしたり。
「こういう音が、下の部屋ではどう聞こえるんだろう?」
実際に自分の耳で確認できたので、営業としても印象に残っている研修です。
普通に歩く音は、ほとんど気にならなかった
まず、真上の部屋を普通に歩いてもらいました。
私がいた部屋では、歩いていることがはっきり分かるような音はほとんど聞こえませんでした。
「上の階に人がいる」と意識して聞いていても、気になるほどではありませんでした。
走る音は、思ったより分からなかった
次に、上の階を走ってもらいました。
こちらも「ドタドタと大きな音がする」というほどではありませんでした。
私が体験した部屋では、走る音も想像していたほど大きくは聞こえませんでした。
ジャンプすると「今の音かな」と分かった
一番分かりやすかったのが、ジャンプしたときです。
上の階でジャンプすると、「あ、今ジャンプしたかな」と分かる程度には音が伝わってきました。
歩く音と比べると、床に衝撃が加わる音は違います。
小さな子どもがいる家庭で気になるのも、こうした「走る」「飛び跳ねる」といった動きなのだと思います。
隣の部屋の会話は、窓を閉めているとほとんど聞こえなかった
次に、真横の部屋で普通に歩いたり話したりしてもらいました。
窓を閉めた状態では、会話が気になるほど聞こえてきませんでした。
「隣の部屋だから、話し声がそのまま聞こえてくる」という感じではありませんでした。
ただ、ここで面白かったのが窓を開けたときです。
テレビの音は「窓を開けると」聞こえた
実験では、テレビの音も試しました。
隣の部屋でテレビの音量をかなり大きくしてもらい、こちらの部屋でどのくらい聞こえるか確認しました。
窓を閉めた状態では、テレビの音はほとんど聞こえませんでした。
ところが、両方の部屋の窓を開けると、テレビの音が聞こえてきました。
この実験で印象に残ったのが、「音は壁だけを通ってくるわけではない」ということです。
隣の部屋との壁がしっかりしていても、窓が開いていれば、外を通って音が伝わることがあります。
空室での実験だったので、実際の暮らしとは条件も違う
この実験を、そのまま「どのマンションでも同じ」と考えることはできません。
実験したのは完成したばかりの部屋で、家具もカーテンもありませんでした。
実際に人が暮らす部屋なら、ソファやカーテン、ラグなどがあり、テレビや家電などの生活音も重なります。
同じ建物でも、部屋の位置や周囲の住戸、時間帯によって感じ方は変わります。
それでも、実際に自分の耳で聞いてみたことで、生活音は音の種類によって聞こえ方が違うことは分かりました。
私が住宅営業時代に見ていたのは「上下階の間取り」

マンションの音を気にするとき、床の性能と同じくらい私が見ていたのが、上下階の間取りです。
たとえば、上の階のリビングの真下が、下の階のリビングになっている場合。
多少子どもが走っても、下の階も普段から人が過ごしている場所なので、寝室の真上よりは気になりにくい可能性があります。
逆に、上の階のリビングの真下が、下の階の寝室になっていると、時間帯によっては足音が気になることも考えられます。
同じマンションでも、どの部屋の上にどの部屋があるかを見ることで、音の感じ方を少しイメージしやすくなります。
間取り図を見るときに、上下階を重ねて見てみる。
これは、内見のときにもできる確認方法です。
子どもがいるなら「音を出す場所」も少し意識する
マンションで子どもと暮らす場合、音を完全になくすことは難しいものです。
そこで、私は住戸の中でも「ここは静かに過ごしたい場所」「ここは元気に遊ぶ場所」とゾーンを分けて考える方法もあると思います。
たとえば、リビングではラグやマットを敷いて、普段どおり生活する。
一方で、寝室の真上になる場所では、走ったりジャンプしたりする遊びを控える。
そんな考え方なら、子どもにずっと「静かにして」と言い続けなくても、できる範囲で音を抑えられます。
実際、我が家でも子どもが遊ぶ場所にはプレイマットを敷いています。
これだけで音を完全に防げるわけではありませんが、床への衝撃を少し和らげる対策にはなります。
私が使っているプレイマットはこちらです。防音だけでなく、小さな子どもも安心して遊ばせることができる点が気に入っています。
二重床・直床・スラブ厚も目安にはなる

マンションの防音性について調べると、「二重床」「直床」「スラブ厚」といった言葉が出てきます。
二重床は、コンクリートの床スラブと仕上げの床材の間に空間を設け、その上に床を仕上げる工法です。
直床は、コンクリートの床スラブに床材を直接施工するタイプです。
スラブ厚は、上下階の間にあるコンクリートの床スラブの厚さを指します。
こうした仕様は、マンションの音を考えるときの目安にはなります。
ただ、二重床だから静か、スラブが厚いから音が気にならない、と単純には判断できません。
音の感じ方には個人差がありますし、周りの住人がどのように暮らしているかにも左右されます。
私自身、住宅営業をしていたときも、こうしたスペックだけで音の感じ方を判断するのは難しいと感じていました。
内見で確認できる時間も限られています。
その場で歩いたり部屋を見たりしても、実際に住んだあとの生活音まで確かめることはできません。
内見で分かるのは、たとえば上下階の間取りや、窓の位置・向き、外廊下や道路など窓まわりの環境です。
実際の音については、住んでみないと分からない部分も残ります。
だからこそ、スペックだけで判断せず、分かる範囲の情報を確認しておく、というくらいが現実的だと思います。
もし音が気になったら、まずは管理会社などに相談する

自分が音を出す側なら、子どもが走り回る時間帯を少し意識したり、マットを敷いたりと、できる対策があります。
一方で、住んでから上の階や隣の部屋の生活音が気になった場合は、直接相手に言いに行くより、まずは管理会社や管理組合などに相談する方法があります。
マンションによって対応方法は異なるため、管理規約や相談窓口を確認しておくと安心です。
まとめ|マンションの生活音は「音の種類」と「伝わり方」で変わる
分譲マンションの生活音がどのくらい聞こえるかは、建物によっても、音の種類によっても変わります。
私が研修で体験したマンションでは、普通の歩行音はほとんど気になりませんでした。
一方で、ジャンプすると音が分かり、隣の部屋のテレビは窓を開けると聞こえました。
小さな子どもがいる家庭なら、床の仕様やスラブ厚だけでなく、上下階の間取りや住戸の位置も見ておくと、暮らしをイメージしやすくなります。
まずは自分たちの家の中で「ここは静かに過ごしたい場所」「ここは元気に遊ぶ場所」とゾーンを分けて考えてみる、気になる場合はプレイマットを敷く、夜は走り回らないようにするなど、できる対策をしておく。
私自身は、住宅営業時代に「音が気になるならマンションはやめたほうがいい」と考えていたわけではありません。
実際に音を体験してみると、思っていたより聞こえない音も多く、逆に「こんなところから聞こえるんだ」と感じる音もありました。
マンションの音が気になっている方は、「どのくらい聞こえるか」だけでなく、「どんな音が、どこから聞こえるのか」を考えてみると、自分たちに合う住まいを考えやすくなると思います。
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