「そろそろ家を買いたい」と思っているのに、夫はあまり乗り気ではない。
家賃を払い続けるのがもったいない、子どものことを考えると今の家では手狭、年齢を考えると住宅ローンもそろそろ気になる。
妻側にはいろいろな理由があるのに、夫からは「まだいいんじゃない?」と言われてしまう。
私は以前、住宅営業の仕事をしていました。住宅見学に奥様だけで来られるご家庭も多く、「夫が家を買うことに前向きではないのですが、どうしたらいいですか?」と相談されることもありました。
そんな経験から、夫婦で話し合うために最初にすることは、説得することではなく、夫がなぜ乗り気ではないのかを確認し、理由が明確ならその理由を夫婦で整理することだと考えています。
住宅購入に夫が乗り気ではない家庭は珍しくない
奥様だけで住宅見学に来られる方は珍しくありませんでした。
お子さんと一緒に来る方もいれば、親御さんや友人と来る方もいます。
その中には、「主人はまだその気じゃなくて……」という方もいました。
奥様は家を買いたい。でも、ご主人は住宅購入の話になると反応が薄かったり、「将来的には考えている」と言うだけだったり。
なかには、そんな状態が5年以上続いていて、「どうしたら主人を動かせるのか」と悩んでいる方もいました。
妻が家を買いたいと思っているからといって、夫も同じタイミングで購入したいと思うとは限りません。
まずは、この温度差があること自体を特別なことだと考えなくてもいいと思います。
まずは妻自身が「なぜ今、家を買いたいのか」を整理する

夫に理由を聞く前に、妻自身が「なぜ今、家を買いたいのか」を書き出してみるのもおすすめです。
私が住宅営業をしていたときも、奥様から「家を買いたい」と相談を受けることはありました。
ただ、話を聞いてみると、
- 家賃を払い続けるのがもったいない
- 子どもが大きくなって、今の家では手狭になってきた
- 子どもの学校を考えると、そろそろ住む場所を決めたい
- 年齢を考えると、住宅ローンもそろそろ気になる
など、理由はそれぞれです。
まずは「家が欲しい」という気持ちだけでなく、なぜ今なのか、今の住まいの何が気になっているのかを整理してみる。
ここが自分でも分かっていると、夫に話すときも「とにかく家を買いたい」という話になりにくくなります。
夫が住宅購入に乗り気ではない理由を聞いてみる
妻側の理由を整理したら、次は夫がなぜ乗り気ではないのかを聞いてみます。
住宅営業をしていたとき、夫側の理由として多かったのは、次の5つです。
| 夫が乗り気ではない理由 | 次に考えたいこと |
|---|---|
| 今の住まいに不満がない | 今の家で困っていることや、今後困りそうなことを夫婦で整理する |
| 住宅ローンを組むのが不安 | 借入額や毎月の返済額を具体的にして、何が不安なのか確認する |
| 転勤や転居の可能性がある | いつまで賃貸にするのか、どんな条件なら購入を考えるのか決める |
| 将来、実家に戻る可能性がある | 実家に戻る可能性や時期を含め、今後の住まい方を話す |
| もう少し貯金してから買いたい | いくら貯まったら考えるのか、具体的な条件を決める |
同じ「まだ家を買いたくない」という言葉でも、その理由によって次に考えることは変わります。
たとえば住宅ローンへの不安なら、借入額や毎月の返済額を具体的にしてみる。
「もう少し貯金してから」という場合なら、「いくら貯まったら考えるのか」を決めてみる。
理由が分かれば、夫婦で何を確認すればいいのかも見えてきます。
「どう聞くか」も大切

夫の考えを聞くときは、購入することを前提に質問しないほうが話しやすいと思います。
たとえば、
避けたい聞き方
いつになったら家を買うの?
家賃がもったいないと思わないの?
これでは、夫からすると「買うことを前提に答えを求められている」と感じるかもしれません。
まずは理由を聞く聞き方
私はそろそろ家のことを考えたいと思っているんだけど、あなたは今、家を買うことについてどう思ってる?
今買いたくないとしたら、何が一番気になっている?
どんな条件が整ったら、家を買うことを考えられそう?
このくらいの聞き方なら、買う・買わないをすぐ決めるのではなく、夫が何を考えているのかを聞くことができます。
「今は買わない」と「考えたくない」は分けて考える
夫が「今は買わない」と言っているときは、その理由まで確認してみることが大切です。
たとえば「転勤の可能性があるから、子どもが小さいうちは賃貸で暮らしたい」ということであれば、今買わないことに理由があります。
一方で、「なんとなく不安」「まだいいんじゃない?」だけで話が止まっているなら、そもそも住宅購入について考えることを避けている可能性もあります。
この2つは、同じ「今は買わない」でも少し違います。
「ローンが怖い」
「なんとなく不安」
といった理由だけで、具体的なことを考えないまま時間だけが過ぎている場合もあります。
私は「買うかどうかは置いておいて、一度考えてみましょう」とお話しすることがありました。
住宅ローンなら、いくら借りると毎月いくらになるのか。
今の年齢で借りた場合、完済年齢はどうなるのか。
団信はどうなるのか。
今の家賃と比べるとどうなのか。
こうしたことを一度具体的にしてみると、「怖い」という漠然とした感覚が少し整理されることがあります。
だからといって、すぐ購入に進める必要はありません。
「買うかどうかは置いておいて、一度二人で考えてみる」
それくらいのところから始めてもいいと思います。
夫が住宅見学に来ないなら、妻だけで行ってもいい?

夫が住宅見学に来ない場合、妻だけで一度見に行って情報を集めるのはありだと思います。
実際、私が住宅営業をしていたときも、奥様だけで見学に来られるケースは珍しくありませんでした。
一人で見学すると、価格や間取り、立地など、ネットで調べているだけでは分かりにくいことを確認できます。
自分がなぜ家を買いたいのかを整理するきっかけにもなります。
ただ、何件も一人で見て回ることはおすすめしません。
妻だけがどんどん購入後の生活を具体的にイメージする一方で、夫はまだ「家を買うかどうか」を考えていない。
そんな状態になると、夫婦の温度差がさらに大きくなることがあるからです。
まずは一度、情報を集めるくらいにとどめておくのがいいと思います。
夫を住宅見学に誘うなら、「説得」よりハードルを下げる
夫にも見てもらいたいなら、「家を買おう」と説得するより、「一回だけ見てみない?」くらいから誘うほうがハードルは下がります。
住宅営業をしていたときも、
見るだけだよ
一回見てみようよ
しつこい営業はなさそうだから
と、ご主人を誘って来られる奥様がいました。
住宅見学を「購入を決める場」にしないこともポイントです。
「最近の家ってどんな感じなのか見てみる」
「今の家と比べてみる」
「自分たちならどんな暮らしになるか考えてみる」
くらいのつもりなら、夫も参加しやすくなります。
夫婦で話した結果、「今は買わない」も選択肢

ここまで話しても、夫婦で「今は買わない」と決めることはあります。
たとえば、転勤の可能性が高い、今の家で困っていない、もう少し貯金を増やしたいなど、夫婦で納得できる理由があるなら、それも一つの選択です。
その場合は、「いつか買う」で終わらせず、
「子どもが○歳になったら考える」
「貯金が○万円になったら住宅ローンを調べる」
「転勤の可能性がなくなったら見学に行く」
など、次に考える条件を決めておくと、ただ先延ばしにする状態を避けられます。
家を買うかどうかだけでなく、いつ、どんな条件なら考えるのかまで夫婦で共有しておく。
それだけでも、住宅購入についての温度差は少し整理しやすくなると思います。
まとめ|夫を説得する前に、夫婦それぞれの理由を整理する
住宅購入で夫が乗り気ではないときは、まず妻自身が「なぜ今、家を買いたいのか」を整理してみる。
そのうえで、夫には「いつ買うの?」と答えを求めるのではなく、「今はどう思っている?」「何が気になっている?」と理由を聞いてみる。
理由が分かれば、住宅ローンを具体的に確認するのか、転勤の可能性を考えるのか、今は買わずに時期を決めるのか、次の行動も変わってきます。
夫が住宅見学に来ない場合は、妻だけで一度情報を集めるのもあり。
ただし、何件も先に進めるより、最終的には夫婦それぞれが「なぜ買いたいのか」「なぜ今は買いたくないのか」を話せる状態にすることが大切です。
家を買うことは、どちらか一人の希望だけで進めるには大きな決断。
だからこそ、夫をどう説得するかより、夫婦それぞれが何を理由に「買いたい」「まだ買いたくない」と考えているのかを整理するところから始めるのがいいと思います。
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