「住宅ローンは、この銀行がおすすめですよ。」
住宅購入を考え始めると、営業担当からそんなふうに銀行を紹介されることがあります。
住宅ローンは何千万円という大きな借り入れです。
それでも、「営業担当さんが言うなら間違いないかな」「給料が振り込まれている銀行だし安心かな」と、そのまま決める人は少なくありません。
私自身、新築マンションの営業をしていた頃、そういう場面を何度も見てきました。
だからこそ、今日は一つだけお伝えしたいことがあります。
私は、勧められた銀行が悪いとは思っていません。
でも、勧められた銀行”だけ”を見て決めるのは少しもったいないと思っています。
住宅ローンは35年近く付き合う人も多い商品です。
だからこそ、一度だけ立ち止まって、「他にも選択肢はあるかな?」と考える時間があってもいいのではないでしょうか。
今回は、元住宅営業だった私が、住宅ローンの銀行選びについて当時感じていたことを書いてみます。
私が感じていた「住宅ローンの銀行選び」の違和感

新築マンションの営業をしていた頃、住宅ローンの相談は毎日のようにありました。
そして、あることに気付きました。
営業担当や不動産会社によって、紹介する銀行が結構違うのです。
ある会社や営業担当は地方銀行。
別の会社や営業担当はメガバンク。
また別の会社や営業担当は、ろうきんやJA。
もちろん、それぞれ理由があります。
でも、「その銀行が一番お客様に合っているから」という理由だけではありませんでした。
- 営業担当と銀行の担当者が普段からやり取りしていて相談しやすい。
- 審査が比較的進めやすい。
- 必要書類の確認がスムーズ。
- 銀行側も不動産会社との付き合いがあるので、お互い仕事が進めやすい。
そういう事情も、実際にはありました。
もちろん、それ自体が悪いことだとは思いません。
住宅購入は契約や決済の日程もありますし、営業担当からすると、スムーズに進められる銀行は安心です。
私も営業だったので、その気持ちはよく分かります。
ただ、その一方で、私は少し違和感もありました。
住宅ローンを組むのは営業担当ではありません。
これから何十年も返済していくのは、お客様自身です。
だから私は、「きちんとその方に合う銀行なのか」は、きちんと考える必要があるのではないかと思っていました。
営業担当が勧める銀行には理由がある
営業担当から銀行を紹介されると、「ここがおすすめなんだ」と思いますよね。
実際、多くのお客様もそうでした。
「営業さんが言うなら安心ですよね。」
「この辺なら○○銀行ですよね。」
「給料が振り込まれている銀行だから、そのままそこにします。」
そんな会話を、何度も聞きました。
正直、そのまま住宅ローンを申し込む方が大半だったと思います。
もちろん、それで納得しているなら何も問題ありません。
ただ、私は少しだけ気になっていました。
「他の銀行も見た上で、この銀行を選んだ」のと、
「紹介されたから、この銀行にした」のとでは、
同じ銀行を選んだとしても意味が違うと思っていたからです。
住宅ローンは、途中で簡単にやり直せる買い物ではありません。
35年間返済する人もいます。
だから私は、「比較した結果、この銀行にしよう」と思ってもらえたら、それが一番納得できる選び方なのではないかと思っていました。
私がお客様と一緒に住宅ローンを考えていた理由

だから私は、お客様に銀行を紹介するとき、できるだけ時間を取るようにしていました。
住宅ローンの仕組み。
変動金利と固定金利の違い。
保証料って何なのか。
団体信用生命保険はどう考えればいいのか。
そして、「そのご家庭なら、どんな銀行が合いそうか」。
そんな話を、一緒に整理していました。
今思えば、少し変わった営業だったかもしれません。笑
物件を見に来ているのに、住宅ローンの話を長くする営業は、当時それほど多くなかったように思います。
でも私は、家を売ることよりも、その後の暮らしの方がずっと長いと考えていました。
住宅ローンは、毎月の生活にずっと関わります。
教育費。
旅行。
車の買い替え。
働き方。
将来の暮らし。
そういうもの全部と一緒に付き合っていくものです。
だから、「どこの銀行が一番です」と答えるより、
「このご家庭なら、こういう選び方もありますよ。」
そんな話をする方が、私には自然でした。
実際、地方銀行を勧めることもありました。
メガバンクを勧めることもありました。
ネット銀行を勧めることもありました。
どれが正解というより、その人に合っているかどうかを一番大事にしていたからです。
銀行によって何が違うのか
住宅ローンは、どこで借りても同じように見えるかもしれません。
でも実際は、銀行によって意外と違う部分があります。
私が特に比較してほしいと思っていたのは、
- 金利
- 保証料や事務手数料
- 団体信用生命保険(団信)
- 繰り上げ返済のしやすさ
です。
例えば金利。
仮に4,000万円を35年、金利1.5%で借りるとすると、総返済額は約5,100万円になります。
利息だけで約1,100万円です。
もちろん、金利は今後も変わっていきますし、その時々の商品によって条件も違います。
でも、仮に0.2%違うだけでも、返済総額は200万円前後変わるケースがあります。

200万円あれば、家族旅行を何度も楽しめるかもしれません。
子どもの教育費に回せるかもしれません。
住宅ローンは毎月少しずつ返済するので実感しにくいですが、35年という長い時間で考えると、その差は決して小さくありません。
また、団信も銀行によって考え方が違います。
がん保障が充実しているもの。
8大疾病まで対象になるもの。
基本的な保障だけの商品。
どれが良いというより、「自分たちにはどこまで必要かな」と考えるきっかけになると思います。
繰り上げ返済もそうです。
思い立ったときにネットから気軽に返済できる銀行もあれば、手数料がかかる銀行もあります。
今は繰り上げ返済を考えていなくても、10年後、20年後には気持ちが変わるかもしれません。
だから私は、「今の自分」だけではなく、「将来の自分たち」にも少し目を向けながら銀行を選べるといいなと思っていました。
当時、私がネット銀行も紹介していた理由
私が住宅営業をしていたのは2010年頃です。
今よりも、ネット銀行で住宅ローンを借りる人はずっと少なかった時代でした。
「ネット銀行って少し不安で……」
そんな声も珍しくありませんでした。
営業担当側も、
- 審査状況が見えにくい
- 手続きに時間がかかることがある
- やり取りに慣れていない
そんな理由から、最初からネット銀行を案内しない人も多かったように思います。
でも私は、「一度見てみてもいいのでは」と思っていました。
実際、お客様から「おすすめはありますか?」と聞かれたら、分譲マンションや中古マンション、分譲戸建てを検討している方には、住信SBIネット銀行も比較対象の一つとして紹介することがありました。
当時から、金利や団信、繰り上げ返済のしやすさなどに魅力を感じていたからです。
もちろん、「住信SBIネット銀行が全員に合う」と思っていたわけではありません。
例えば、
「昔から取引のある地方銀行の担当者さんがいて安心できる。」
「給与振込や住宅ローンをまとめて管理したい。」
そんな理由で地方銀行やメガバンクを選ぶ方もいました。
それも十分納得できる選択だと思っています。
大事なのは、ネット銀行を選ぶことではありません。
「ネット銀行という選択肢も知った上で、自分たちに合う銀行を選ぶこと」でした。
私なら、比較サービスも一つの選択肢にすると思う

私はまだ住宅を購入していません。
だから、「この比較サービスを使って住宅ローンを選びました」と言うことはできません。
でも、もし今の私が住宅ローンを考えるなら、一社だけを見て決めることはしないと思います。
地方銀行も見る。
メガバンクも見る。
そしてネット銀行も見る。
その上で、「我が家にはこれが合いそう」と思える銀行を選びたいです。
最近は住宅ローン比較サービスも増えています。
一社ずつ調べるのが大変だと感じる方は、そうしたサービスを使って選択肢を広げてみるのも一つの方法だと思います。
私自身はまだ利用したことはありませんが、「営業担当に勧められた銀行だけ」で決めずに比較するという考え方には、とても合っているサービスだと感じています。
どこの銀行が正解ではなく、自分に合う銀行を選んでほしい
以前、「営業担当を決め手にしてはいけないと思う理由」という記事を書きました。
営業担当は大事です。
でも、「営業担当が良い人だから家を買う」とは分けて考えたい。
そんな内容でした。

今回の住宅ローンも、私は少し似ていると思っています。
営業担当が紹介してくれた銀行。
昔から使っている銀行。
会社の給与が振り込まれている銀行。
どれも、選ぶ理由として間違っているとは思いません。
でも、その前に一度だけ、
「他にはどんな選択肢があるんだろう?」
と考えてみる時間があってもいいのではないでしょうか。
住宅ローンは、何千万円という借り入れです。
そして、35年前後付き合う人も多い商品です。
だから私は、「営業担当に勧められたから」という理由だけではなく、自分でも少し調べて、納得して決めてほしいと思っています。
もちろん、比較した結果、最初に勧められた銀行を選ぶのも素敵な選択です。
大切なのは、「比較した上で、自分たちで決めた」ということ。
もし、
「銀行が多すぎて何から調べればいいか分からない」
「まずは選択肢を整理してみたい」
という方なら、住宅ローン比較サービスを使ってみるのも一つの方法だと思います。
私自身はまだ利用経験はありませんが、住宅ローンを比較するきっかけとしては便利そうだと感じています。
住宅ローンについてのおすすめ記事


