私は昔から、貯金が好きでした。
中学生のころ、プロフィールカードの「得意なことは?」という欄に、迷わず「貯金」と書いたくらいです。笑
今思うと、ちょっと変わった中学生ですよね。
大学生のときには、すでに100万円の貯金がありました。
お金が貯まること自体に、達成感がありました。
通帳の残高が増えていくと安心するし、「ちゃんとしている自分」になれたような気もしていたと思います。
逆に、残高が減るのは苦手でした。
欲しいものがあっても、「これを買ったら○万円減るな」と考えると、急に気持ちがしぼんでしまう。
若いころは安い服をたくさん買うこともありましたが、高いものをひとつ買うことには、ずっと抵抗がありました。
そんな私が、40歳手前でジュエリーを買うことにしました。
しかも、私にとってはかなり高額な、一生もののジュエリーです。
これは「自分へのご褒美を買いました」というだけの話ではありません。
貯めることが目的になりかけていた私が、「今のお金の使い方」について考え直した話です。
クローゼットから出てきた、20歳の記念のルイヴィトン

きっかけは、断捨離のためにクローゼットを整理していたときでした。奥から、ルイヴィトンのバッグが出てきました。
20歳の記念に、母が「ルイヴィトンのバッグを買おう」と提案してくれて買ってもらったものです。
当時の私はもちろんうれしかったし、20歳という節目に、そんなバッグを持てることが少し大人になったようで特別でした。
ただ、今見ると、正直かなり使いにくい形です。
何年も使っていないし、「もう売ろうかな」と思いました。ヴィトンなら、年数が経っていても売れるかもしれない。
使わないものを持ち続けるより、手放したほうがいいのかなとも思いました。
でも、手に取ったときにふと考えたんです。
これはただのバッグではなくて、20歳の私にとって大きなプレゼントだったんだな、と。
20歳の記念に母と父と選んだバッグが、今もクローゼットにある。それだけで、なんだか少しうれしい。
年を重ねたらまた使うことがあるかもしれないし、本当に心の底から「もう手放していい」と思えたときに売ればいい。
そう思って、バッグは残すことにしました。
そしてその流れで、もうすぐ40歳になる自分のことを考えました。
20歳の記念があるなら、40歳の記念があってもいいのかもしれない。
「40歳記念に、何か高いものを買おう!」
突然そう思ったのです。
そのときは、バッグなのか、時計なのか、ジュエリーなのかも決めていませんでした。
でも、その考えが浮かんだ瞬間、急に楽しみになりました。
貯金も投資も続けてきたからこそ、少し引っかかっていたこと
私は投資を始めて8年ほどになります。
最初は「投資なんて絶対ダメ派」でしたし、個別株もギャンブルのようなものだと思っていました。
そこから少しずつ勉強して、積立投資を始めて、今はインデックス投資と個別株投資を続けています。
資産も、少しずつ増えてきました。
NISAや投資信託は、老後のために積み立てています。それ自体は、今も間違っていないと思っています。
でも1年ほど前から、ときどき頭をよぎることがありました。
「私は、貯めることが目的になっていないかな」
将来への備えは大事です。
子どもの教育費もあるし、住宅のこともあるし、会社員として働いている以上、いつ何があるかはわかりません。
だからこそ、貯金も投資も続けてきました。
ただ、老後のため、将来のため、と言い続けているうちに、今の自分が何を楽しみにお金を使うのかが、少し後回しになっていないかと不安を感じたりもしていました。
私は旅行には比較的お金を使うほうです。大学の卒業旅行も、グアム、韓国、沖縄と3回行きました。
経験にお金を使うことには納得できていたのに、自分の手元に残る高額なものには、なぜかずっと慎重でした。
40歳記念にジュエリーを買うことは、私にとって「贅沢を解禁する」というより、貯めることだけに寄りすぎないための小さな練習だったのかもしれません。
「40歳の記念に高いものを考えていい?」と夫に聞いた
夫婦のお金の管理は、我が家では夫婦それぞれの名義で持つ共同財布という形にしています。
自分の貯金で買おうかなと思ったけど、家族からのプレゼントとして迎え入れたいとも思いました。
ある日、夫に聞きました。
「40歳の記念で、バッグかジュエリーか、何か高いものを考えていい?」
夫はすぐに、
「いいんじゃない?」
と言いました。
私は心の中で、「そう言うと思った」と思いました。
夫も私と同じで、あまりお金を使わないタイプです。
お金を使うことに慎重な私が、「買いたい」と言ったことに、夫なら反対しないだろうなと思っていたけれど、あっさりOKをもらえて、少し肩の力が抜けました。
もちろん、夫がOKと言ったから買ってよい、という話ではありません。
でも、家計のことを一緒に考えている相手に話して、「いいんじゃない」と言ってもらえたことは、私にとってひとつの安心材料になりました。
そこから私は、かなり楽しく調べました。
バッグがいいかな。
時計もいいかもしれない。
一生もののジュエリーもいいな。
普段使いできて、仕事の日にもつけられて、年齢を重ねても使えるものがいい。
そんなふうに、あれこれ見ている時間も楽しかったです。
カルティエのトリニティリングが候補になった理由

いろいろ調べる中で、カルティエのトリニティリングが候補に上がりました。
3つのリングが重なったデザインで、シンプルなのに存在感があります。
私は、気に入ったものを最低限持つのが好きです。
服もバッグもジュエリーも、たくさん集めたいというより、「これは好き」と思えるものを長く使いたい。
トリニティリングは、そんな自分の感覚に合っていました。
調べていると、3つのリングに家族の名前を刻んで、お守りのように身につけている人がいることも知りました。
それがとても素敵だなと思いました。
40歳の記念であり、家族との毎日を思い出せるものでもある。
ただ高いリングを買うのではなく、自分にとって意味のあるものを選びたい。
そう思うようになりました。
値上げを見て、「欲しいものは後回しにすると遠ざかることもある」と思った
ちょうどそのころ、カルティエの値上げの話題が出ていました。
SNSでは「駆けティエ」という言葉まで出て、値上げ前に購入しようとする人が多く、Yahoo!ニュースなどでも取り上げられていました。
トリニティリングも、私が見ていたタイミングで36万円台から39万円台になると。
夫に「値上げするらしい」と話すと、
「じゃあ早く行こう」
と言われました。
でも、来店予約を取ることすら困難な混雑状況で、結局、値上げ前にお店へ行くことさえ叶いませんでした。
家で公式サイトを見ながら、価格が上がるのを静かに見ていました。
正直、少し悔しかったです。
でも同時に、「ものの価値が上がる」ということを、かなり身近に感じた出来事でもありました。
数年前より価格が上がっていることを知ると、「いつか買おう」と思っているうちに、欲しいものが自分から遠ざかってしまうこともあるのかもしれないと思いました。
もちろん、値上げするから急いで買う、という話ではありません。
欲しくないものまで買う理由にはならないし、家計に無理をしてまで買うものでもないと思います。
ただ、欲しいと思っていて、今の自分にも似合いそうで、これからも使いたいと思えるものなら。
「もっと先でいいかな」と先延ばしにするだけではなく、今の自分が買う意味もあるのかもしれない。
私の中では、そんな価値観の変化がありました。
ラグジュアリーなお店で、「私がここにいていいのかな」と思った
実際にブティックへ行ったときは、少し緊張しました。
店内はラグジュアリーな雰囲気で、きれいに整えられていて。
「私、ここにいていいのかな」
と、正直少し思いました。
40万円近いリングを見に来ているのに、どこかでまだ、自分がその買い物をする人だと思い切れていなかったのかもしれません。
でも、買うこと自体はほぼ決めていました。
だから店頭では意外と冷静で、「このサイズだと少しゆるいですね」「こちらのほうがしっくりきます」と、真面目にサイズを選んでいました。
憧れのブランドに行くことと、自分の生活から離れた人になることは、別の話なんだと思います。
私はいつもの会社員で、子どもがいて、日々の家計も気にしていて、スーパーでは値札も見ます。
その私が、40歳記念に一生もののジュエリーを買う。
その両方があってもいいんだと思えました。
私が高額な記念品を買う前に確認したこと

高い買い物で後悔しないために、私なりに考えたことがあります。
貯金が好きで、残高が減るのが苦手な私が、納得して買うために確認したことです。
余剰資金から出せるか
生活費や教育費、急な出費のためのお金に手をつけて買うものではないと思いました。
「欲しいから買う」だけではなく、買ったあとも普段どおりに暮らせるか。
そこは自分の中で確認しました。
積立投資を止めずに買えるか
NISAや投資信託の積立は、老後のために続けたいと思っています。
ジュエリーを買うために積立投資を止めるなら、私は絶対に買いませんでした。
今の楽しみと、将来への備え。
私の場合は、両方を続けられる範囲にすることが大事でした。
一生ものと思えるか
「一生もの」という言葉は便利ですが、買った瞬間に一生ものになるわけではないですよね。
私にとっては、何年後も使いたいと思えるか。
服装や生活が変わっても、手に取る姿を想像できるか。
それを考えました。
トリニティリングは、特別な日だけではなく、仕事の日や子どもと出かける日にも使えそうでした。
毎日を少し華やかにしてくれるものなら、私にとっては十分に意味のある買い物です。
「資産になるから」ではなく、お守りになるか
ブランドジュエリーは、ものによっては価値が残りやすいと聞きます。
20歳の記念のルイヴィトンのバッグを見て、もし手放すことになっても、価値がゼロではないと思ったのも事実です。
でも、それを購入の一番の理由にはしたくありませんでした。
売るために買うなら、私には少し違う。
身につけるたびに、40歳の自分や家族のことを思い出せる。
お守りのように思える。
私にとっては、そのほうが大きかったです。
40歳記念に買ったジュエリーは、増やすためのものではない
結果的に私は、カルティエのトリニティリングを約40万円で購入しました。
さらに結婚記念日として、ブシュロンのセルパンボエムのペンダントも選びました。
日常使いできるイヤリングとブレスレットも買いました。
こう書くと、「急にジュエリーに目覚めて、どんどん集め始めたのかな」と思われるかもしれません。
でも、私の気持ちは少し違います。
私はこれからも、ジュエリーをたくさん集めたいわけではありません。
気に入ったものを、必要な分だけ持ちたい。そのかわり、身につけるたびに少し気分が上がるものを選びたい。
トリニティリングも、セルパンボエムのペンダントも、毎日の中で私を少し華やかな気持ちにしてくれるものになりました。
それぞれに意味があって、思い出があって、私にとってはお守りであり、宝物です。

貯めることと、今を楽しむことは両立できる
私は今でも貯金が好きです。
残高が増えるとうれしいし、投資を続けて将来に備えたい気持ちも変わりません。
でも、貯めることだけが目的になってしまうと、今の自分が何を大切にしたいのかまで見失ってしまう気がします。
40歳記念にジュエリーを買ったことは、私にとって「お金を使えるようになった」というより、
「本当に大切にしたいものには、お金を使ってもいい」
と思えるようになった出来事でした。
高額な買い物が、すべての人に必要だとは思いません。
ジュエリーでなくても、旅行でも、学びでも、家族との時間でもいい。
私には、余剰資金の範囲で積立投資を続けながら、一生使いたいものを選ぶ形が合っていました。
もし「貯金はできるけれど、自分のためにお金を使うのは苦手」と感じている人がいたら。
買うか、買わないかの前に、「私は何のために貯めているんだろう」と考えてみるのもいいかもしれません。
左手の人差し指に輝くトリニティリング。
内側には夫の名前と子どもたちの名前を刻みました。一生身に着けたい宝物です。
私にとって40歳記念のジュエリーは、その答えを少しだけ教えてくれた買い物でした。


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