住宅ローンで後悔する人の共通点|元不動産営業の私が「借りられる額」で決めないほうがいいと思う理由

住宅ローンで後悔する人は、どんな人なのか。

私は以前、不動産営業をしていました。

その頃からずっと感じていたのは、住宅ローンで後悔するかどうかは、年収や借入額だけでは決まらないということです。

むしろ、「銀行から借りられる金額」を、そのまま「自分たちが返せる金額」だと思ってしまうこと。

ここに、後からじわじわ苦しくなる原因があるように思っていました。

今、私は子育てをしながら時短勤務で働いていて、自分自身も住宅購入を検討しています。

営業をしていた頃は、お客さまに資金計画を説明する側でした。

でも今は、旅行にも行きたいし、子どもの教育にもお金を使いたいし、家を買ったあとも働き方の選択肢を残しておきたい側です。

だからこそ、当時とは少し違う角度から、住宅ローンについて考えるようになりました。

この記事では、元不動産営業の私が見てきたことと、これから家を買う立場の私が考えていることをもとに、住宅ローンで後悔しやすい人の共通点を書いてみます。

住宅ローンの正解を断言する記事ではありません。

ただ、家を買ったあとも、自分たちらしい暮らしを続けたいと思っている人の参考になればうれしいです。

目次

住宅ローンで後悔する人は、借りられる金額で家を決めてしまう

住宅ローンを組むとき、「いくら借りられるか」はかなり気になります。

不動産会社でも銀行でも、年収や勤務先、勤続年数などから借入可能額を出してくれます。

数字が出ると、急に現実味が出ます。

「この金額まで借りられるなら、あのマンションも買えるかもしれない」

そう思うのは自然なことだと思います。

でも、借りられる金額と返せる金額は同じではありません

これは不動産営業をしていた頃、何度も感じました。

銀行の審査が通ることと、その返済額で無理なく暮らせることは別の話です。

住宅ローンの返済ができればいいわけではなく、その返済をしながら、何にお金を使いたいかまで含めて考えないといけない。

家を買ったあとも、旅行に行きたい人はいると思います。

子どもの習い事や教育にお金をかけたい人もいると思います。

家具や家電を少しずつ整えたい人もいるし、毎週末どこにも出かけず、ひたすら住宅ローンの返済だけを優先する暮らしは違うなと思う人もいるはずです。

私もその一人です。

夫と住宅の話をするときも、単純に「月々いくらなら払えるか」だけでは終わりません。

旅行は年に何回くらい行きたい?

子どもが大きくなったら、習い事も増えるかもしれないよね

私がずっと時短勤務のままだったらどうする?

そんな話になります。

正直、きれいに答えが出る話ではありません。

でも、こういう会話をしないまま、借りられる上限で家を決めるのは少し怖いなと思っています。

住宅ローンで後悔しないために大事なのは、借入可能額を知ることより先に、自分たちが残したい暮らしを考えることなのかもしれません。

3年固定を選んだ人が、3年後に驚いていたこと

私が不動産営業をしていた2010年代頃、チラシや看板、資金計算で使われる住宅ローン金利は、3年固定が多かった記憶があります。

当初の金利が低く見えますし、月々の返済額も抑えられます。

物件価格が少し高くても、「この月々の支払いならいけそう」と思いやすい。

営業側としても、低い金利で資金計算を出したほうが、購入後の生活をイメージしてもらいやすい空気はありました。

もちろん、3年固定を選ぶこと自体が悪いとは思っていません。

3年間の金利が固定される安心感がありますし、その間に繰上返済をする、収入が増える見込みがあるなど、考えたうえで選ぶ人もいます。

ただ、3年固定を選んだあとに、

「3年後に金利が変わるなんて知らなかった」

「返済額が上がると思っていなかった」

という話を聞くこともありました。

当時の私は、正直「説明はされていたはずなのに」と思ったこともあります。

でも今振り返ると、説明を受けたことと、理解して自分の生活に落とし込めていることは別です。

資金計算書には、当初金利での月々返済額が大きく書かれています。

一方で、数年後に金利が変わったらどうなるかは、読もうと思わないと目に入らないこともあります。

ほかのマンションで出してもらった資金計算書を持ってきて、「あちらではこの返済額でした」と比較するお客さまもいました。

でも、その返済額が同じ金利条件なのか、同じ返済期間なのか、ボーナス払いが入っているのかまでは、意外と見られていないこともありました。

月々の数字だけを比べると、安く見えるほうに気持ちが動きます。

それは当然です。

ただ、住宅ローンは「契約した月の返済額」だけで終わるものではありません。

変動金利でも固定金利でも、当初固定でも、私は金利が変わったあとも家計が回るかを見ておきたいと思っています。

金利がどこまで上がるかを正確に当てることはできません。

だからこそ、低い当初金利でしか成立しない家計になっていないか。

そこは、住宅ローンを選ぶ前に一度考えておきたいところです。

家を買ったあとも、旅行や教育費にお金を使えるか

昔より今のほうが、家に求めるものも、家以外に使いたいお金も増えているように感じます。

もちろん、昔も旅行や教育にお金を使う家庭はありました。

ただ、「家を買うこと」が人生の中でも特別に大きなイベントで、ほかのことを少し我慢してでも家を優先する考え方は、今より強かったのではないかと思います。

今は、

  • 家を買ったあとも旅行に行きたい。
  • 子どもにいろいろな体験をさせたい。
  • 教育費も準備したい。
  • 自分たちの老後資金も、できれば早めに考えておきたい。
  • 投資も続けたい。

そういう価値観を持つ人が増えているように感じます。

私自身も、住宅購入にすべてを寄せる暮らしにはしたくないと思っています。

家は大事です。

でも、家だけが人生の目的ではない

家を買ったあとに、「ローンがあるから旅行はしばらく無理」「習い事は増やせない」「投資は止めよう」となるなら、その家は私たちにとって少し高すぎたのかもしれません。

子どもが大きくなったときに、「家を買ったから何もできなかった」とは思いたくない。

こういう感覚は、資金計算書には出てきません。

でも、住宅ローンの返せる額を考えるときには、本当はかなり大事なことだと思っています。

ペアローン・収入合算を「それしかないから」で選ばない

住宅価格が上がった今、ペアローン収入合算は珍しい選択ではありません。

共働き家庭も増えていますし、夫婦の収入を合わせて住宅ローンを組むことは、ごく自然なことだと思います。

私も、ペアローンや収入合算そのものが危ないとは思っていません。

二人で働いて、二人で家を持つ。

それが夫婦の考え方に合っているなら、良い選択肢の一つです。

ただ、少し気になるのは、「その選択肢しかないから」で決めてしまうことです。

希望するエリア、希望する広さ、希望する物件価格。

それを叶えようとすると、単独ローンでは届かない。

だからペアローンにする。

その流れ自体はよくあります。

でも、その前に夫婦で話しておきたいことはあると思っています。

たとえば、どちらかが時短勤務になったらどうするか。

転職したくなったらどうするか。

子どもの事情で働き方を変えたくなったらどうするか。

どちらかの収入が減っても、住み続けられるのか。

私自身、今は時短勤務です。

フルタイムで働くことを前提にした住宅ローンを組むとしたら、少し迷うと思います。

子どもが大きくなれば働き方を変えるかもしれません。

逆に、仕事の状況や家庭の事情で、フルタイムに戻れないこともあるかもしれません。

未来のことは分かりません。

だから、夫婦で完璧な答えを出す必要はないと思っています。

ただ、「二人とも今と同じように働き続ける前提でしか返せない金額ではないか」は、確認しておきたいです。

ペアローンのメリットやデメリットを理解したうえで選ぶのと、何となく選ぶのでは、後から感じる重さが違うと思います。

頭金2割、短い返済期間が正解とは限らない

不動産営業をしていた頃、頭金は物件価格の2割くらい入れられるといい、とよく言われていました。

頭金が多ければ借入額は減ります。

住宅ローンの利息負担も抑えやすいです。

これは今でも変わらない部分だと思います。

ただ、今の私は、頭金をできるだけ多く出すことだけが正解ではないと思っています。

私たちが住宅を買うなら、頭金はあまり出しすぎない方向で考えています。

理由は、手元のお金をすべて家に入れたくないからです。

生活防衛資金は残したい。

子どもに急な出費があったときにも対応したい。

投資も続けたい。

家を買った直後に、家具や家電、引っ越しなどで思った以上にお金が出ていくこともあります。

もちろん、無理をしてフルローンを組むことには私は慎重です。

頭金がないから、借入額を増やしてでも希望の家を買う。

これは、我が家には合わないと思っています。

一方で、十分な貯蓄や投資資産があり、手元資金を残すためにあえてフルローンにする選択もあると思っています。

繰上返済したいと思ったときにできる。

投資を続けたいと思ったときに続けられる。

働き方を変えたくなったときに、少し余白がある。

私にとっては、こういう選択肢を持っていることにも価値があります。

返済期間についても同じです。

住宅ローンは短いほうがいいですか

と聞かれることがよくありました。

私は当時も今も、まずは長めに組んで、余裕があれば繰上返済する考え方はありだと思っています。

子どもが小さい時期と、中高生や大学生になる時期では、家計にかかるお金が変わります。

一番お金がかかる時期に、毎月の住宅ローン返済が重すぎると苦しくなります。

最初から返済期間を短くしてしまうと、毎月の返済額を減らすのは簡単ではありません。

でも、余裕が出たときに繰上返済をすることはできます。

これは我が家に合っている考え方で、全家庭に合うとは思いません。

早く返済を終えたほうが安心できる人もいると思います。

ただ、頭金も返済期間も、「一般的にこうだから」で決めず、自分たちが何を安心と感じるかで考えていいのではないかと思っています。

ボーナス払いを組む前に、私は「何に使いたいか」を聞いていた

住宅ローンのボーナス払いについては、お客さまからよく聞かれました。

ボーナス払いは入れないほうがいいですか?

ボーナス払いを入れたら、月々の支払いが楽になりますよね?

月々の返済額を下げられるので、ボーナス払いは魅力的に見えます。

営業担当から提案されることも多いと思います。

ただ、私はすぐに「入れたほうがいいです」「入れないほうがいいです」とは答えず、まず聞くようにしていました。

「ボーナスは、何に使いたいですか?」と。

家族旅行に使いたい。

車検や車の買い替えに備えたい。

貯金したい。

子どもの教育費に回したい。

あるいは、毎月の生活費だけでは足りない月を補いたい。

人によって、ボーナスの役割は違います。

もし、ボーナスを返済に回したあとも、旅行や教育費、急な出費に使える余裕があるなら、ボーナス払いを選ぶことも一つの考え方だと思います。

ただ、ボーナスは毎月の給与ほど固定的なものではありません。

会社の業績や働き方によって変わることもあります。

だから私は、ボーナス払いを入れるなら、「この金額なら絶対に大丈夫」と思える範囲にしたいです。

月々の返済額を低く見せるために、ボーナス払いを大きく入れる。

これは、後から苦しくなりやすい組み方だと思っています。

住宅ローンの返済を考えるとき、ボーナスを何に使いたいかまで考えるのは少し意外かもしれません。

でも、家を買ったあとも自分たちらしく暮らすためには、意外と大事な話です。

住宅ローン以外にかかるお金まで、最初から入れておく

住宅ローンの月々返済額だけを見ていると、住居費は思ったより少なく見えます。

でも、家を持つと住宅ローン以外にもお金がかかります。

マンションなら、管理費や修繕積立金があります。

駐車場代がかかる場合もあります。

そして修繕積立金は、ずっと同じ金額とは限りません。将来上がることが決まっている長期修繕計画もあります。

営業時代、修繕積立金が上がる可能性まで積極的に話されないケースも、正直あったように思います。

もちろん、資料には書いてあることもあります。

でも、購入を検討しているときは、物件価格や住宅ローン金利、月々の返済額に目が向きやすいです。管理費や修繕積立金の将来の上昇まで、自分から確認しないと見落としやすいと思います。

戸建てなら、管理費や修繕積立金はありません。

その代わり、外壁や屋根、水回りなど、いつか自分たちで修繕するお金が必要になります。

さらに、マンションでも戸建てでも、固定資産税、火災保険、地震保険があります。

家を買った直後には、引っ越し費用、カーテン、照明、エアコン、家具家電なども出ていきます。

私が住宅を検討するときも、物件価格だけではなく、「住み始めてから毎年いくらかかるか」を見たいと思っています。

住宅ローンが月々○万円だから大丈夫、ではなく、

住宅ローン
+ 管理費・修繕積立金または修繕費の積立
+ 駐車場代
+ 固定資産税
+ 火災保険
+ 家を持ったことで増える生活費

ここまで含めて、無理がないか。

これを考えるだけでも、見える景色が少し変わると思います。

住宅を見に行く前に、夫婦でざっくり確認したい家計のこと

住宅購入を考えると、まず物件を見に行きたくなります。

モデルルームや内見に行くと、暮らしのイメージが一気に膨らみます。

私も住宅情報を見るのは好きなので、その気持ちはよく分かります笑

でも、できれば住宅を見に行く前に、一度だけでも家計をざっくり確認しておくといいと思っています。

細かい家計簿を何年分もつける必要はありません。

まずは、夫婦で以下のようなことを話せれば十分だと思います。

  • 年間の手取り収入はいくらくらいか
  • 毎月の固定費はいくらか
  • 食費や日用品、交際費などで年間いくら使っているか
  • 今、年間でいくら貯金や投資に回せているか
  • ボーナスは何に使っているか
  • 今後増えそうな支出はあるか
  • 旅行や教育費、趣味などで残したいお金はいくらか
  • どちらかの収入が減ったとき、どこまでなら対応できそうか

私たちも、住宅の話をするときに意見がぴったり一致するわけではありません。

私は「手元資金を残したい」と思うタイプです。

夫は「借金が少ないほうが気持ちは楽」と感じるタイプです。

どちらが正しいという話ではありません。

でも、お互いが何を不安に思っていて、何を残したいのかを話しておくと、住宅ローンの組み方も少しずつ見えてきます。

家を買うことは、物件を選ぶことでもあります。

同時に、これからの暮らし方を夫婦で選ぶことでもあるのだと思います。

まとめ|住宅ローンは、家を買うためのお金ではなく、これからの暮らし方を決めるお金

住宅ローンで後悔する人は、特別にお金の知識がない人だけではないと思います。

金利の仕組みを少し知っていても、借入可能額を確認していても、家を買ったあとの暮らしまで考え切れなければ、後から「こんなはずじゃなかった」と感じることはあります。

3年固定を選んだ人が、3年後に金利の変化に驚いていたこと。

ペアローンや収入合算を、ほかに選択肢がないからと決めてしまうこと。

頭金を出しすぎて、手元資金が少なくなること。

ボーナス払いを前提にして、旅行や教育費の余白がなくなること。

住宅ローン以外の管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険まで見ないまま、月々の返済額だけで判断すること。

どれも、選んだ人が悪いわけではありません。

家を買うときは、物件もローンも情報が多くて、決めることが多すぎます。

だからこそ私は、借りられる額ではなく、家を買ったあとも自分たちらしく暮らせる額を考えたいです。

旅行にも行きたい。

子どもに使いたいお金もある。

投資も続けたい。

働き方を変えたくなったときに、少し余白を残しておきたい。

我が家には、こういう考え方が合っていると思っています。

ただ、早くローンを返し終えたい人もいるし、頭金を多く入れたほうが安心できる人もいると思います。

住宅ローンに唯一の正解はありません。

でも、営業担当や銀行が出してくれた数字だけで決めず、自分たちが何を大事にしたいのかを話してから選ぶ。

それだけでも、住宅ローンで後悔する可能性は少し減らせるのではないかと思っています。

住宅を見に行く前に、まずは夫婦で家計をざっくり見てみる。

そして、借りられる額ではなく、返せる額を基準に複数の住宅ローンを比較してみる。

私もこれから、その順番で考えていくつもりです。

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この記事を書いた人

元住宅営業の在宅マーケター
40歳・2児の母。社会人18年目。
元住宅営業、現在はメーカーでWebマーケティングの仕事をしています。
時短勤務で手取り17万円。住宅・教育費・働き方・老後のことに悩みながらも、自分らしいお金の使い方を考えています。
正解がひとつではないからこそ、私は何に悩み、なぜその選択をしたのかを書いています。
保有資格:FP・宅地建物取引士

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