マンションのモデルルームを見学すると、
「広い!」
「こんな家に住めたらいいな。」
そんな気持ちになりますよね。
私も住宅営業をしていた頃、お客様がモデルルームに入った瞬間の表情を見るのが好きでした。
「ここで暮らしたい。」
そう思えるモデルルームは、それだけ魅力的に作られています。
でも、その一方でこんな声もよく聞きました。
実際に住む部屋もこんな感じですか?
実は、モデルルームは一番広いプランや、間取りを変更したプランが採用されていることが少なくありません。
例えば、本来は3LDKの間取りを2LDKに変更して、大きなリビングにしていることもあります。
もちろん、間取り変更やオプションはきちんと案内されています。
でも、初めてモデルルームを見学すると、情報量がとても多いんですよね。
だからこそ私は、お客様に「モデルルームで確認したい点」をよくお伝えしていました。
マンションのモデルルームは最初に「好き」を感じていい

「冷静に見学しましょう。」
そんなアドバイスを見かけることがあります。
でも私は、最初は感情で見てもいいと思っています。
玄関に入った瞬間、
「明るくて好き。」
「この雰囲気いいな。」
「ここで子どもが遊んでいる姿が想像できる。」
そんな気持ちは、家選びではとても大切です。
住まいは毎日帰ってくる場所。
数字だけでは決められません。
だから最初は、その家の空気感を楽しんでください。
そして一通り見終わったら、今度は少しだけ冷静になってみます。
次に確認したいのは「同じところ」と「違うところ」

モデルルームを見るときに私がおすすめしたいのは、
「モデルルームと、自分が購入する部屋は何が同じで、何が違うのか。」
これを整理することです。
実は、モデルルームだからといって全部が特別仕様というわけではありません。
例えば、こんなところは実際のお部屋と同じことが多いです。
- 天井の高さ
- フローリング
- 建具
- サッシの高さ
- 廊下の幅
- 寝室の広さ
- キッチンの高さや奥行き
- トイレの仕様
- バルコニーの奥行き
- 標準仕様の壁紙
一方で、違うことが多いのはこんな部分です。
- リビングの横幅
- 間取り変更
- キッチンの横幅
- お風呂のサイズ
- オプション照明
- アクセントクロス
- カーテンレール
- バルコニーの幅
- 収納の仕様
「全部オプションだから参考にならない。」
そう考えてしまうのは、少しもったいない気がします。
同じ部分は、そのまま自分の家になります。
違う部分を意識して確認すれば、ぐっとイメージしやすくなると思います。
「20cm違う」がイメージできるようになる

例えば営業担当から、
こちらのキッチンは標準より20cm広い仕様です。
と言われたとします。
20cmと言われても、意外と想像できませんよね。
そんなときは、
「20cm狭くなると、どんな感じだろう。」
と実際にキッチンの前に立って、考えてみるだけでも違います。
リビングなら、
「横幅が30cm短くなると、ソファの置き方はどうなるかな。」
そんなふうに置き換えてみると、モデルルームがぐっと現実に近づきます。
もしメジャーがあれば、その場で測ってみるのもおすすめです。
モデルルームや営業担当がメジャーを持っていることも多いので、気になったら「お借りできますか?」と聞いてみるといいと思います。
遠慮する必要はありません。
家は大きな買い物です。
少しでも納得できるように確認することは、とても大切だと思います。
見学が終わったら、今の家と比べてみる
「事前に家のサイズを全部測っていきましょう。」
そんなアドバイスを見かけることがあります。
もちろん、それができたら理想です。
でも、小さなお子さんがいるご家庭だったり、急に見学予約をしたりすると、そこまで準備するのはなかなか大変ですよね。
だから私は、見学が終わって家に帰ってから、一番の候補の部屋と比べてみる。それだけでも十分だと思っています。
例えば、
- キッチンの作業スペースは今より広いかな、狭いかな
- ダイニングは今のテーブルが置けそうかな
- 洗面所は子どもと並んで立てそうかな
- 寝室は今のベッドが入るかな
そんなふうに、今の住まいを基準に考えてみます。
営業担当から、
キッチンはモデルルームより20cm狭くなります。
と言われたなら、帰宅後に今のキッチンを測ってみる。
「今より10cm広いんだ。」
「今より少し狭くなるんだ。」
そうやって比較すると、「20cm」という数字が、自分たちの暮らしに置き換わります。
図面だけではイメージできなかったことも、今の家と比べると意外と想像しやすくなるものです。
家具は置けるかな?も考えてみる
もう一つ考えたいのが、家具の配置です。
今使っているソファやダイニングテーブル、テレビボードはそのまま使う予定でしょうか。
それとも、この機会に買い替える予定でしょうか。
例えば、
「今のソファなら置けるけれど、少し大きめに買い替えたい。」
そんな考えなら、その分のスペースも必要になります。
逆に、
「ダイニングテーブルを小さくする。」
という選択もあるかもしれません。
家は、建物だけで暮らすわけではありません。
家具が入って初めて生活が始まります。
だからこそ、「部屋の広さ」だけでなく、「家具を置いたあとの広さ」まで考えてみると、住み始めてからのギャップが少なくなると思います。
オプションは遠慮せず聞いてみる

モデルルームには、たくさんのオプションが使われています。
キッチンや照明、アクセントクロス、収納、グレードアップした設備…。
見学中には、「この素敵な雰囲気」が先に目に入るので、どこまでが標準仕様なのか分からなくなることもあります。
もちろん、オプションには表示がありますし、営業担当も説明してくれます。
ただ、モデルルームには本当にたくさんのオプションが使われていることが多く、一度の説明だけでは覚えきれないこともあります。
だから、
これは標準仕様ですか?
この照明はオプションですか?
このキッチンの幅は標準ですか?
そんなふうに気になったことは、その場で聞いてしまって大丈夫です。
営業担当も、その疑問に答えるためにいます。
また、メジャーを持っていなくても、モデルルームや営業担当が持っていることも多いので、「少し測ってみてもいいですか?」と聞いてみるのもおすすめです。
モデルルームは「暮らし」を想像する場所

住宅営業をしていた頃、たくさんのお客様をご案内してきました。
その中で印象に残っているのは、家選びで満足されていた方ほど、「モデルルームそのもの」を見ていたのではなく、「自分たちが暮らす部屋」を想像していたことです。
最初は、「素敵だな」と感じる気持ちを大切にする。
そして、そのあと少しだけ立ち止まって、
「自分たちの間取りではどうなるかな。」
「今の家具は置けるかな。」
「今の家と比べるとどうだろう。」
そんなふうに考えてみる。
それだけで、モデルルームの見え方は変わってきます。
モデルルームは、完成された空間を見る場所ではありません。
これから暮らす自分たちの生活を想像する場所。
私は、そう考えています。
もしこれからモデルルームを見学する予定があるなら、ぜひ「同じところ」と「違うところ」を意識しながら見てみてください。
きっと、パンフレットや図面だけでは分からなかった、自分たちにとって本当に住みやすい家のイメージが見えてくると思います。



